電話で話すと、声が震えたり、受話器を持つ手が震える。そのため、職場の電話が鳴るたびに身が縮む思いをする。
電話が極端に苦手なときは、どうしたらいいでしょうか。理解することが5つ、試してみたいアクションが11個あります。
理解すること5つ
電話対応の苦手意識は特別なことではない
多くの人が電話応対に対して緊張を感じています。
特に相手の表情が見えないことで不安になりやすく、苦手意識を持つのは自然なことです。
体が反応するのはストレスの一種である
声や手が震えるのは、交感神経が優位になっているためです。これは「戦うか逃げるか」の反応であり、危険を回避しようとする身体の正常な反応です。
震えが出ても「それでも受話器を取った」ことが大きな成功です。震えないことより「震えながらも行動する」ことを評価しましょう。
一度に完璧を求める必要はない
最初からスムーズに話せる必要はありません。電話対応はスキルの一つであり、少しずつ慣れていくものです。
最初は短い言葉で対応し、徐々に話せる範囲を広げればよいのです。
相手も電話のプロではない
電話の向こうにいる相手も完璧ではありません。聞き返されたり、言葉に詰まったりするのはどちらにも起こり得ることです。
あなた一人がうまく話せないわけではないので、必要以上にプレッシャーを感じる必要はありません。
苦手なことは克服しなくて良い場合もある
仕事において電話対応が必須でなければ、無理に克服する必要はありません。
会社の方針や役割を考えた上で、できる範囲で貢献できる方法を模索するのも一つの選択肢です。
試してみたいアクション11
以下の11個のアクションリストを参考にして、あなたの状況に合わせたアクションプランを練ってみましょう。
1.電話対応の「定型フレーズ集」を作成して手元に置く
不安の多くは「何を言えばいいかわからない」という恐怖から来ます。
対応マニュアルや定型フレーズをあらかじめ書き出して手元に置きましょう。
- 「お電話ありがとうございます。○○会社です」
- 「申し訳ございません。ただいま〇〇は席を外しております」
- 「折り返し〇〇からお電話差し上げますので、差し支えなければお名前とご連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか」など。
記憶に頼ろうとすると、緊張して定型フレーズが出てこないときに焦ることになります。電話応対の流れを想定し、定型文を手元に用意しておくと安心感が増します。
2.深呼吸してから受話器を取る
電話が鳴ったら、すぐに取るのではなく、ゆっくり深呼吸してから取る習慣をつけると、緊張を和らげることができます。
息を吐くことで、副交感神経が働き、リラックスしやすくなります。
3.想定される会話の「ロールプレイ」を一人で練習する
人のいない場所で、実際の会話を口に出して練習します。セリフだけでなく声のトーンや話すスピードも意識することで、体に馴染んでいきます。
毎晩50回繰り返すなど、練習量を多めにすると、苦手意識が嘘のように消えていきます。
録音して自分の声を聞いてみると、「思ったより普通にできてる」ことに気づいて自信を持てます。また、客観的に改善点を見つける手助けにもなります。
4.電話を取るかどうかの判断を事前に決めておく
電話が鳴ってから、自分で取るかどうかの判断をすると動揺します。事前に取るかどうかの判断基準を持っておいたほうがいいでしょう。
- 新人は電話を取るように言われているから、1コールですべて取る
- 2コールで誰もでなければ自分がすぐに取る
- 3回に1回は自分が取る
- 内線は自分が担当する、など。
「電話に慣れるまでルールを持ちたい」と先輩に相談するのもおすすめです。
5.電話が鳴った瞬間に「定型フレーズ」を心の中で唱える
電話が鳴ると、「動揺→思考停止」のパターンが起こりがちです。
そこで、鳴った瞬間に「はい。○○会社です!」と心の中で唱えてください。「鳴る→行動」へとパターンを切り替えられます。
この軽いトリガーによって思考停止を避けることができます。
6.電話対応の目的を絞る
電話のやりとりを「完璧にこなすもの」と思うとプレッシャーになります。
電話対応の目的を「要件を聞く」という1つに絞ってみましょう。
目的が一つに絞られていると、意識がそこにフォーカスされますので、心の動揺を抑えることができます。
7.周囲に「電話が苦手です」と少しだけ伝えておく
職場の同僚に「電話対応がまだちょっと苦手で…」と共有しておくと、電話に出るときのプレッシャーが減ります。
隠さず伝えることで、心理的な安心感が得られます。
8.簡単な電話対応から
社内の内線電話など、リスクの低い簡単な電話から慣れていく方法もあります。
大口の重要顧客からの電話は、すぐに先輩に変わってもらうようにします。最初はリスクを減らすようにして、徐々にレベルを上げましょう。
9.電話応対がうまい人の真似をする
同僚や先輩の電話対応を観察し、言葉の選び方や話すスピード、声のトーンなどを真似してみます。
モデルを持つことで、自分なりの基準ができますので、迷いなく行動できるようになります。
10.苦手を「治そう」と思わず「付き合おう」と考える
「電話を克服しよう」と構えると、現在の自分を否定することにつながります。「苦手でも、できる範囲で関わればいい」と考えてください。
苦手なことを「克服しよう」と焦るのではなく、「気長に付き合おう」とのんびり構えたほうが、プレッシャーから解放されます。
11.イヤホンやヘッドセットを使ってみる
受話器を持つと手が震える場合、ヘッドセットを使うと、余計な緊張を減らすことができます。ハンズフリーで話せると、体の緊張が和らぎやすくなります。
電話対応をしている時間が多い方は、ハンズフリー環境にできないか相談してください。
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