自分の実力には不釣り合いな一流企業に採用されてしまった。周囲は優秀で、仕事の難易度も高い。
自分は仕事ができない上にコミュ力もないため、日に日に居づらくなっている。だからといって、安易に辞める決断はできない。
そんなときは、どうすればいいでしょうか。理解することが5つ、試してみたいアクションが11個あります。
理解すること5つ
「不釣り合い」かどうかを決めるのは自分ではない
採用されたということは、企業が「この人はうちで活躍できる」と判断したということです。
自分で「場違いだ」と思っていても、それは思い込みの可能性が高いです。入社した時点で、その企業にいる資格は十分にあります。
「即戦力」ばかりが求められるわけではない
どんなに優秀な人でも、最初から仕事ができるわけではありません。企業によっては、育成プログラムやサポート体制を重視して、社員の長期的な成長を前提としているケースがあります。
周囲と比べるのではなく、今できることを一つずつ積み重ねていくことが重要です。
「周囲が優秀だからこそ学べる環境」と考える
自分のレベルが低いと感じる環境は、成長のチャンスが多い環境でもあります。
今はつらいかもしれませんが、一流の人たちと一緒に働くことで、普通の会社では得られない経験や知識を吸収することができます。
「コミュ力がない=孤立する」わけではない
コミュニケーション能力が高くなくても、誠実に仕事に取り組み、最低限の報連相(報告・連絡・相談)ができれば、信頼は得られます。
また、一流企業には多様な人材がいるため、派手なコミュニケーションが得意でない人でも、価値を発揮できる場があるはずです。
「辞める・続ける」の二択ではなく「改善の余地があるか」を考える
会社を辞める決断を急ぐ必要はありません。ただし、現状が改善できるかどうかを冷静に分析することは重要です。
仕事がつらい原因が「慣れていないだけ」なのか、「職場の文化が合わない」のかによって、今後の判断が変わってきます。
試してみたいアクション11
以下の11個のアクションリストを参考にして、あなたの状況に合わせたアクションプランを練ってみましょう。
1.「できること」と「できないこと」を明確に分ける
「自分は仕事ができない」と漠然と思い込むのではなく、具体的にどこが苦手なのかを整理してみましょう。
例えば、「資料作成はできるが、会議での発言が苦手」「細かい作業は得意だが、大きなプロジェクトの管理は難しい」など、得意・不得意を可視化することで、対策が立てやすくなります。
2.「業務の優先順位」を自分なりに整理してみる
すべてを完璧にやろうとすると潰れてしまいます。周囲の人が完璧にやっているからといって、自分もそうする必要はありません。
自分の実力に合わせて、業務についての優先順位を決めましょう。
例えば、「今週はミスを減らす」「来月は会議で一回発言する」など、小さな目標を立てて、一歩ずつ前進することを意識しましょう。
3.同僚の仕事のやり方を観察し、学ぶ
周囲が優秀に見えるなら、その人たちの仕事の進め方を観察し、取り入れられる部分を学びましょう。
すべてを一気に真似るのではなく、具体的なスキルに注目すると学びやすくなります。たとえば、「効率の良い資料の作り方」や「会議での発言の仕方」などです。
学ぶことができるようになると、自分より優秀な人ばかりの環境はチャンスだと気づきます。
4.優秀な人の「弱さ」や「失敗」に気づく
「この人たちは完璧だ」「自分だけが劣っている」と思い込んで、あなたは職場で委縮しているかもしれません。しかし、完璧な人はこの世の中にいません。
あえて、その優秀な人たちの弱点に意識を向けてください。「仕事はできるけど、弱みを見せることを怖れている」「リーダーシップがあって弁舌は巧みだけど、傲慢で人の気持ちがわからない」など。
優秀さの裏にある「普通さ」や「不完全さ」が見えると、「ただの人間なんだ」と気づくようになります。そして委縮していた気持ちがだいぶ楽になるはずです。
5.昨日の自分と比べて、1ミリでも成長したことを探す
周囲が優秀に見えるとき、私たちは無意識に「理想の他人」と「今の自分」を比べてしまいます。自分が小さく感じられて、劣等感が深まってしまいます。
そこで意識して、「昨日の自分」「1週間前の自分」と比べて、「今日は〇〇ができた」「前より聞き返す回数が減った」など、自分なりの小さな進歩を見つける習慣を取り入れてみてください。
「劣っている」という自己認識ではなく、「前に進んでいる」という自己認識を持っていることが大切です。
6.最低限のコミュニケーションを意識する
周囲が優秀な人ばかりで劣等感を抱え込んだときには、自意識過剰になりがちです。そうなると、コミュニケーションに支障をきたす傾向があります。
もしコミュニケーションが苦手だと思っても、報告・連絡・相談がきちんとできれば、仕事はスムーズになります。
巧みな会話や発言をする必要はなく、簡潔に伝えるだけでも十分です。最低限をクリアーするつもりでコミュニケーションに臨んでください。
7.委縮しなくていい人を見つける
周囲が優秀に見えているとき、みんなと同じテンションで接しようとすると、ますます疲弊してしまいます。
まずは一人でいいから、委縮しないで話せる人を職場に探してください。「この人は少し話しやすいかも」「この人は笑顔で返してくれるな」と感じる人はいるものです。
一人でも委縮しないで話せる人がいると、職場のストレスは減っていきます。
8.自分の理解を周囲にすり合わせる
「自分は劣っている」といった悩みは、かなりの部分が妄想かもしれません。周囲の人があなたのことをどう思っているのか聞くようにしてください。
「先ほどのミーティングで私は間違った発言をしたと感じるのですが、やはりそうでしょうか?」
「この業務は私には荷が重すぎるように思うのですが、どう感じていますか?」
「この事案について私はこう理解したのですが、間違っているでしょうか?」
このように、周囲の人から意見を求めることで、より客観性をもって自分自身の状況を理解することができます。
9.社外に味方を探す
自分だけ仕事ができないときには、社内で孤立したように感じるものです。あなたの存在を認めて、受け入れてくれる人とのコミュニケーションを社外に求めてください。
社外の信頼できる人(友人・先輩・カウンセラーなど)に相談するだけでも、視野が広がります。「あなたは捨てたものではない」と言ってくれる人の存在は貴重です。
10.「できないことはできない」と割り切る
仕事の難易度が高すぎて、自分には手に余る状況でも、できることをやるしかありません。
会社が求める水準に達していなくて、たとえ会社に損害がでようとも、それは会社の責任です。できない仕事を割り振った責任は、すべて会社側(管理者側)にあります。
あなたは「できないことはできない」「できることを誠実にやる」と腹を決めて、結果を気にするのはやめましょう。
11.出口戦略を決めて、気持ちを楽にする
もしどうしても続けられなくなった場合、転職の選択肢もあります。
「せっかく入った一流企業を辞めるのはもったいない」と思うかもしれませんが、今の環境で精神的に追い詰められるよりは、自分に合った環境を探す方が健全です。
「○月までは続けて、ダメなら辞めよう」と期限を決めることで、気持ちが軽くなり、むしろ前向きに動ける場合があります。
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